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デザイン思考(デザインシンキング)で生まれた「Qドラム」

人間が健康で快適な暮らしを営むには「水」は欠かすことができない資源です。 水に恵まれた私たちは、普段なかなか考える機会がありませんが、水源の乏しい途上国の地域でいかに水を確保するか、デザイン思考で生まれたプロダクト・イノベーションを紹介します。 世界の何百万もの人々、特にアフリカ地方に住む人々は安心できる、きれいな水源から何キロも離れたところに住んでいるため、コレラ、赤痢など水が媒介する病気にかかりやすい。開発途上地域の女性や子供が水の入った思い容器を、たいていは頭の上に乗せて運んでいる写真は、誰でも見たことがあるだろう。こうした労働は例外なく、首や背骨におおくの障害を引き起します。

イノベーションは「デザイン思考(デザインシンキング)」から生まれる

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Qドラムは、耐久性のあるドーナツ型をしたプラスチック容器で、最大50リットルの水が入ります。

Qドラムのアイデアは、発展途上国において信頼のおける水源から大量の水を一度に運ぶのが難しい問題から、デザイン思考(デザインシンキング)を活用し、課題解決に向けて開発されました。

Qドラムのアイデアは、シリンダー型の容器に水を入れて転がすという運搬方法は、女性や子供でも大量の水を運ぶ唯一の実現可能な方法であると考えられました。

Qドラムのユニークな点はその「デザイン思考(デザインシンキング)」から生まれたデザインにあります。
中心部の穴にロープが取り付けられ、これによりどのような地域でもコロコロ転がしながらドラムを引っ張り持ち運ぶことが簡単にできます。

このQドラムの素材は鎖状低密度ポリエチレンで、滅多なことで壊れたりはしません。

取り外しのできる持ち手やその他金属の付属品など、紛失したり壊れたりする原因の部品はありません。
Qドラムを引くのに使われるロープはいつでもすぐに補修が可能で、万が一紛失しても簡単に取り換えることができます。

Qドラムは毎日使っても少なくとも8年はもつ、耐久性のある製品です。

 

きつい重労働を「楽しさ」に変えるデザイン思考(デザインシンキング)

Qドラムは、何世紀も続いてきた水汲みというきつい労働を楽しみに近いものに変えました。

一回で前より多くの水が劇的にラクに楽しく運べる。平らなところなら、子供でも50リットルの水を何キロも無理なく運ぶことができる。
これによって、水汲みの役割が女性から子供に移り、女性たちが他の大切な仕事に携われるようになる。その上、重くて不安定なものを頭に乗せて運ばないので、体の障害も避けられる。

まさに、デザイン思考(デザインシンキング)によって生み出されたプロダクト・イノベーションです。

こんなに素晴らしいQドラムですが、問題点があります。
それは「コスト」です。

・真ん中の穴を作ること
・毎日使われても問題のない強度の実現

上記を実現するには想像以上にコストが上がってしまいました。

それでもできる限り価格を抑える努力をしたが、それは、まだほとんどの人には届いていません。
必要な人は手が届かず、手が届く人はこれを必要としない。製品のマーケティングと配布が慈善だけに頼るようなら、プロジェクトは持続可能ではありません。

デザイン思考(デザインシンキング)による仕組みづくり

国際的な寄付やNGO、企業による適切な財政支援を得れば、途上国の水汲みの問題を改善するデザイン思考で生み出されたQドラムは、アフリカをはじめ世界各地の地方社会でこれらの世代の生活をもっともっとずっとラクにすることに貢献できることが可能になります。

 

「世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある」:シンシア スミス著

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