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デザイン経営の未来を探る:M&Aから考えるデザイン思考と経営戦略

VUCA時代、デザイン会社の買収(M&A)が加速度的に進んでいる!
VUCA時代、デザイン会社の買収(M&A)が急速に進展しています。最近、続々とニュースで取り上げられています。以下はいくつかの買収事例です。
– 博報堂DYホールディングスの戦略事業組織「kyu(キュ)」が、米国のデザインコンサルティング企業「IDEO LP」に30%の出資を行い、持分を取得しました。
– 米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)が、デザイン会社「LUNAR(ルナ社)」を買収しました。
– アクセンチュアは、大手広告主向けデジタルマーケティングビジネスを強化するために、ロンドンに本社を置くデザイン会社「Fjord(フィヨルド社)」を買収しました。
さらに、米国の金融大手キャピタル・ワンが「Adoptive Path(アダプティブ・パス社)」を買収するなど、大手企業がデザインを経営戦略に組み込むためにM&Aを活用する動きが活発化しています。デザイン思考とデザインマネジメントを取り入れることで、企業は競争力を高めています。
ビジネス領域におけるデザイン思考とデザインマネジメント
「ビジネス領域におけるデザイン思考とデザインマネジメント」
年々、ビジネス領域におけるデザイン思考の重要性が高まっています。しかし、具体的な中小企業におけるデザインマネジメントの導入はまだ確立されておらず、逆に日本のクラウドデザインサービスは簡単で手軽な作業支援に焦点を当てたサービスが主流です。これにより、デザイン思考のプロセスとは相反する傾向が見られます。この状況に危機感を抱いています。
現在、日本ではデザインの意味が二つに分かれています。一つは狭義のデザインであり、もう一つは広義のデザインです。中小企業こそが日本の活力を支えている存在であり、イノベーションを生み出す環境と土壌の構築に力を注ぐべきだと考えます。
「デザインマネジメントの導入」の効果と可能性
「デザインマネジメントの導入」は、「デザイン思考の活用」と「ブランドデザインの資産化」という二つの側面で非常に相性が良く、親和性があります。私は、中小企業の方が大手企業よりも中長期的にデザインマネジメントの導入による効果が期待できると考えています。
大手企業が行っているデザイン会社の買収(M&A)は、本物のビジネスデザインを実現し、イノベーションを生み出す手段としてはいくつかの問題があり、違和感を感じる要素もあります。
IDEO社の企業文化創造における「デザインと真摯に向き合う」という姿勢には強い魅力を感じており、博報堂がIDEOを買収し傘下に入れたことで、IDEOイズム(IDEOのアイデンティティ)を博報堂の企業文化としてどのように根付かせ、イノベーションを生み出しデザインマネジメントのスキルを発揮していくのか、具体的なイメージがまだ掴めていません。そのため、「デザインマネジメントの導入」が本質的な領域で相乗効果を生み出し、確固たる地位を築くことは容易ではないと考えます。
イノベーションとデザイン経営による中小企業の成長と新たな価値創造
日本経済の主役は中小企業であり、中小起業の力が日本経済の発展に大いに関わっています。大手企業が優れたデザイン会社を買収する手段とは異なる視点で、中小企業が身近かつ持続的に活用できる「デザインマネジメントの導入」が実現すれば、デザイン経営が中小企業の成長とイノベーションを支え、経営とデザイン思考が融合したグランドデザインが正常に機能し、新たな価値を生む「広義な意味のデザイン」を創ることができると確信しています。
【参考記事】
博報堂DYHDの戦略事業組織「kyu」、デザインコンサルティング行う「IDEO」を傘下にhttp://markezine.jp/article/detail/23896
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