記事の詳細
ロードアイランド・スクール・オブ・デザインに学ぶ教育の在り方
「ロードアイランド・スクール・オブ・デザインに学ぶ、クリエイティブクラスの育成」
デザインを学ぶ理由には多々ありますが、芸術・美として捉える側面と、経営やマーケティング戦略の手法の1つとして捉える側面があります。
アメリカ・ロードアイランド州・プロビデンスにあり美大のハーバードと言われる「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」では、芸術の枠を超えて人としても様々なプロセスを踏んで成長できる学びの場があります。
※以下、Rhode Island School of Design,(RISD)=ロードアイランド・スクール・オブ・デザインとします。
RISDでの学びがどう現代社会に活かされるか、根本的な学ぶ姿勢について触れていきます。
・アメリカでの学位価値観
日本でも価値あるビジネス学位として認証されているものにMBAとあります。MBA(Master of Business Administration)は経営学修士学位のことを指し、アメリカでは大手企業の採用プロセスの選考基準となったりすることもあります。日本でも大手では一つの強みとして捉えられることもあるでしょう。
最近ではその学位としての価値観はMBAからMFAに注目があるまっているようです。MFA(Master of Fine Arts)は美術学修士学位を指します。経営から美術?と首をかしげる人もいるでしょうが、今現代社会で起きているたくさんのことはデザインによるマネジメント手法があるからこそ成り立っているものが多いのです。
経営学を学んだとしてもマクロ経済、ミクロ経済、市場動向を読み取り綿密にマーケティングをしていても、予測や理論値を大きく外れ企業の不利益になってしまうこともしばしばあり得る話です。 企業でなくとも、政(まつりごと)においてもこの傾向があり、計算理論値は完璧であっても実値を予測して対応することが困難なことは多々あります。
例を挙げると日本は福祉国家でありますが、今の賦課方式である年金制度もここまで少子高齢化社会になり問題になってしまうと当時政策を打ち立てた議員や内閣府は想像できていなかったのではないでしょうか。
企業や国家においても理論で導き出せない答えに対しては、美意識を用いた直感や感性が重要な判断基準になっています。
・RISDではリアルなものづくりがある
時代時代に沿った形で変化するものなので一概にはいえませんが、モノと情報が溢れている今は、危険や不利益となるプロセスはパソコンやインターネットで情報を検索することで事前に回避できるので、失敗をする経験が少なくなっていうような気がします。
実は、失敗ってすごく重要な教育プロセスなのです。
失敗を機会と捉えると、失敗に至らせたプロセスを解き明かし、その真の原因を見つけて対処しなければ、再び失敗が生じる可能性はそのままです。そして、失敗の真の原因への対策によって、次なる成功の種を導き出せるかもしれません。
RISDではアナログで自ら作り上げるプロセスがある。またそのデザイン自体も作業が段階的に終わっても、繰り返しトライアンドエラーで洗練してくプロセスがあるのです。
また、大学としての学びの場の中に企業と連携して一つのプロジェクトとしてデザイン過程があるので、結果をダイレクトに受け取りやすいのです。この利点は、今後の社会人としての自分の評価をすぐに確認できるので何がいけないのか気づく体験ができ、反省・検討・実行とPDCAサイクルが自然と身につきます。
・明確なビジョンが育つ
学生が主体的に取り組める場としてRISDは一目置かれています。実際に企業連携し、ものづくりを通すことでユニークな学生が多くここから輩出されています。
資本主義社会に適応する形で自分たちの強みを磨くことができる。そしてそれは今後のクリエイティブ・クラスを多く輩出することにも繫がっています。
やらされている。ではなく自分が主体的となり動き、感じ、学び、そして反省がある。そういったプロセスの中で明確なビジョンが育つのでしょう。
・RISDで今後必要なものをクリアに考える
先行きのわからないことはたくさんあります。IT産業が発展し、AIが人の仕事を奪うということを公のニュースで報道されるまで予測できていた人はどれほどいたでしょうか。ぼんやりと見える将来の変化を明確に自分の中で予測し、構成立てて、市場を牽引する人材。そういった人を育てることが社会として重要な視点といえます。
よりクリアに先を見通すために様々なものに触れ、机上ではなく本質的な問題と向き合っていく必要がありそうです。
コメント
-
2017年 10月 01日
この記事へのコメントはありません。